ダウンロード刑罰化について

sui quei tornanti anche il mare è in salita今回は、ダウンロード刑罰化についての個人的な考えを書いてきたいと思います。
photo credit: * RICCIO



はじめに


ダウンロード刑罰化について、私は過去にTwitterで以下のような発言をしています。


1. 個人的には、内容問わず、ダウンロード刑罰化は、ありえない。 ダウンロードが許されるコンテンツか否かの判断は、個人には困難な場合あり。 さらに、権力、権利の濫用の危険度は相当なもの。 著作権保護を名目にしているが、著作権法の制度趣旨は、相手を刑罰に陥れることではない。

2. 業界はいい加減気付くべき。昔は、簡単に儲けることができたやり方でも、それが、いつまでも通用するわけじゃない。

3. ダウンロード刑罰化に頼って、営業利益を回復させても、それは、一時的なものであって、業界に未来があるとは個人的には、思えない。

4. ダウンロードという行為に、果たして、刑事責任を問うほどの違法性があるのかということは、かなり難しい問題だと思います。色々と考えさせられる良記事です。


もちろん、P2P(ファイル共有)などを利用し、著作者その他に損害を与えている人は、当然、その損失分は、利用者の全員が賠償をすべきだと思いますが、それはあくまでアップロードした者であって、ダウンロードした者に刑罰化は弊害が大きすぎるような気がしますし、効率的なやり方ではないような気がします。


まずは、アップロードまたは、アップロード・ダウンロードを並行して行っている者を徹底的に取り締まって、それでも効果が出ないなら、ダウンロードした者も取り締まるという段階を踏まないとやはり、妥当性は無いですよ。人権侵害の危険は必要最小限に抑えるというのが、国家の責務でもあるわけですから。


よって、単に儲からなくなってきている業者や団体を救済するために、国民に刑罰を科す方向で考えるというのは、正当なやり方ではないわけです。


日本の音楽について


今思うことは、これでますます難しくなったなぁということです。


何が難しくなったかというと、もちろん、ダウンロードではなく(笑)、簡単に言うと、日本の経済復興です。


なぜなら、ダウンロード刑罰化は、ダウンロードに刑罰を科せば、状況が好転するという幻想にとりつかれた、あまりにも遅れすぎているやり方だから。すでにうまくいかないばかりか、ありとあらゆる側面で、自体がかなり悪化したという例を見てきたのに、どうしてこういう間違ったやり方をするのか、個人的にはかなり疑問です。まあ、思うに、公務員でありながら、職務において公益よりも、個人の利益を優先させた結果がコレでしょう。


これでは、革新的な音楽サービス(かなりの確率で、数年のうちに誕生する、もしくは既に誕生していると思いますが)が日本に浸透してきた時には、とてもじゃないが、日本の音楽業界は対応できないと私は考えています。


この法律の発端は、音楽業界のおじいちゃんが国会議員や政党への働きかけ(まあ、働きかけという甘い言葉では語り尽くせないほどの個人への見返りがあったことは想像に難くないと思いますが)を頑張ったからということらしいのですが、対象とされるコンテンツは音楽に限らず、映像や画像も含まれますからね。顧客は、間違いなく、日本製のものではなく、海外製のものに切り替える流れが一般化すると考えています。


そうなると、もはや日本製は手遅れの状況に陥ってしまうと私は見ています。モノ作り産業だけでなく、コンテンツ産業までも国民に見放されてしまっては、業界のダメージはかなり大きいでしょうね。


いや、自分ところは、違法ダウンロード気にせず、ただ、良い物を世に送り出すことを考えてやっているというところもあるでしょう。私は、これこそが今の時代において一番、儲かる可能性が高い姿勢だと考えていますが、ダウンロード刑罰化は、法律レベル、つまり、日本全国レベルの問題です。ということは、その影響力は、業界レベルにとどまらず、法律が成功した場合の利益も大きいが、間違った場合の不利益も大きい。


私は、過去の海外の立法失敗例を見ても、時代の流れをみても、この法律の方向性は、どう考えても失敗すると見ていますので、この法律による数年、数十年後に日本が受ける不利益は凄まじいだろうと考えています。


音楽ってなんなんでしょう。本来、人を楽しませるためのものなんじゃないのかなぁ。コミュニティを破壊したり、インターネットの利用を強度に萎縮させたりするためのものじゃないと思うのですが。


私がダウンロード違法化に反対する主な理由


1. 人権侵害は必要最小限でなくてはならない。これは、法律の基本でもあり、憲法の指針でもあります。にもかかわらず、CDが売れないからといって刑罰というのは、一部私的団体に肩入れしすぎだと思います。そこはあくまで自助努力でしょう。


2. 現実に窃盗であればネットでも区別すべきでないという論調がありますが、このような論調者に対しては、ネットワークというものを技術的、根本的に全く理解出来ていないことが伺えます。ネットワークとは簡単には「つながり」を意味し、それを過度に制限するのは良くないという考え方が根本にあります。なぜなら、この考えは、今までネットワークを作り上げてきた人達の精神でもあるからです。


もちろん、ある程度の制限はやむをえないでしょう。ネットワークにおいても、全くの自由が許されるというわけではありません。秩序維持のためには制約も必要になってきます。


しかし、それを余りにも強度に制約してしまうものについては、ネットワークコミュニティが黙ってはいないでしょう。


3. 音楽CD一般に言えることは、簡単にコピーし、大量に販売できるというところ。つまり、音楽業界は今までこのようにして儲けてきたわけです。もちろん、これはあたりまえの経済活動であって、別に悪いことではありません。しかし、このような経済活動においては、パソコンやネットワークによる恩恵も大きいと思います。業界人も今まで、有志が作成した無料アプリやネットワークを全く使ったことがないという人はいないでしょう。


しかし、このような経済活動にもやがて終わりがやってきます。昔は簡単に儲けることができた手法が通用しなくなってくるのです。いつまでも同じような手法が通用するわけじゃない。経済活動においては、これが私の根本的な考え方の一つです。


また、日本音楽協会が、ネットワークの恩恵を受けている以上、そのためのリスクを負うのは当然のことです。そして、リスク回避の手段を誤ると不利益も大きいと私は考えます。今回のダウンロード違法化への啓発活動はとてつもなく誤ったリスク回避の手段です。


このために、日本音楽協会vsネットワークコミュニティという図式が成立してしまいました。


また、音楽協会が CDを大量にコピーし、生産できる。そして、大量に儲けることができるというのは、一方で、違法アップロードリスクを抱えるわけです。これは、言ってみれば当たり前のことです。しかし、そのリスクを刑罰を使って回避しようというのは、経済活動において一番誤った考えだと思います。


アノニマスが宣戦布告?


まず、アノニマスとは何かですが、これは、一種のネットワークコミュニティです。誰でも参加できると思います(笑)ただし、そのコミュニティでは、当たり前ですが、能力の高い人に発言力があると考えます。


SONYの時に一気に話題になったハッカー集団と目される団体ですが、その集団の根本にあるのは、「ネットワークを強度に破壊しようとするものを許さない」というネットワークコミュニティの自己防衛機能とも言える考えがあると私は考えています。


例えば、SONYがアノニマスに攻靴譴浸?、アノニマスの初期の主張は、当然ながら正しいものと考えられました。ただし、このような集団的活動においては、その交戦が長期に渡ると、どうしても行きすぎてしまう傾向があるように思います。


SONYは、PS3というハードを販売していましたが、一時期その改造が話題になったことがあります。その時、SONYがとった行動は、「改造されたハードを見つけ出し、それをリモートで破壊する」というものでした。もちろん、改造行為により他人に迷惑をかければ、それは違法行為になりえますが、そうでない限り、自分の所有物をどのように使うかは、個人の自由が許される範囲です。これは、アメリカでも日本でもそうです。にも関わらず、金儲けを目的とする一(イチ)私的団体が、個人の所有物をリモートで破壊すると言ったのです。


私は、私的利用目的の改造よりも、改造された機器をリモートで回復できないまでに破壊してしまう行為のほうが違法性が高く、ネットワーク倫理にも反するものだと思いました。


これに対して、当然ながらネットワークコミュニティが激怒し、アノニマスがSONYに攻撃をしかけました。


そして、今回、SONYの時と同じように、日本音楽協会と日本政府がアノニマスに宣戦布告される事態に陥っています。なお、現在では、SONYは、経済的にかなりの危機に陥っています。これについては、SONYが過去の傲慢さを捨て去らない限り、回復は難しいと個人的には考えています。


個人への監視体制について


違法ダウンロード刑罰化の次は通信の秘密に踏み込む音楽権利団体という記事を見かけました。ここで、私的団体の個人への監視体制がかなり強化されているようです。


そして、上の記事を見ていただければ分かると思いますが、今後は、端末だけでなく、データそのものからも個人が監視されるようになるみたいです。


これは非常に危険です。「お前んちにSWAT送り込むから!」のようなことにならなければいいのですが...。


また、単なる私的団体が、ここまで個人のプライバシーに介入し、監視していいわけ無いだろ...と個人的には思います。