ArchLinuxでGUI環境を整える

Mayo 2011 ArchLinux
今回は、ArchLinuxでログインマネージャーやウィンドウマネージャーを導入する方法を紹介します。

photo credit: conandoel

はじめに



ArchLinuxは、最初から快適に使えるOSではなく、最小限の構成から独自に必要な物を判断し、インストール、カスタマイズして作り上げていくタイプのOSです。


よって、 WindowsMac, Ubuntuなどとは異なり、ログインマネージャーやウィンドウマネージャーなどの当たり前のものですら、自分でインストールし、設定していく必要があります。


以下、ArchLinuxでログインマネージャーやウィンドウマネージャーを導入する方法を紹介します。


ここでは、ログインマネージャーは、 SLiM、ウィンドウマネージャーは、 awesomeを採用することにします。




ArchLinuxでGUI環境を整える



ArchLinuxのインストール



GUI環境を整えるには、それなりの容量を消費します。したがって、前提として、ある程度のHDD容量を確保しておかなければなりませんので、OSのインストールから解説します。


解説環境は、 Macを使用します。OSによって適時読み替えて下さい。


VirtualBox



VirtualBox上に仮想マシンを作成します。マシンに直接インストールする場合は、この手順を飛ばして下さい。


1. 以下のシェルスクリプトをパスの通った場所に置いて、実行権限を与えます。そして、シェルを再起動すれば、当該シェルスクリプトをパス無しで参照できます。

(1) シェルスクリプトの作成

cd && vim vm-cli


#!/bin/zsh
# vm-cli <name> <memory> <size> <iso>
# 使用例 : $ vm-cli archlinux 2048 8000 ~/Downloads/archbang-03.03.2013-i686.iso

# http://www.kkaneko.com/rinkou/virtualbox/virtualboxusage.html

# 実行時に指定された引数の数、つまり変数 $# の値が 4 でなければエラー終了。
if [ $# -ne 4 ]; then
echo "指定された引数は$#個です。" 1>&2
echo "実行するには4個の引数が必要です。" 1>&2
exit 1
fi

# 仮想マシン定義ファイルの生成
VBoxManage createvm --name "${1}" -register

# 登録済みの仮想マシンのプロパティの設定
VBoxManage modifyvm ${1} --memory ${2} --acpi on --hwvirtex on --hwvirtexexcl on --nestedpaging on --largepages on --vtxvpid on --accelerate3d on --accelerate2dvideo on --nic1 bridged --bridgeadapter1 eth0 --usb on --usbehci off

# 仮想ハードディスクイメージファイルの生成
VBoxManage createhd --filename ~/VirtualBox\ VMs/${1}/${1}.vdi --size ${3}

# 仮想マシンのSATAストレージコントローラの作成
VBoxManage storagectl ${1} --name ${1}sata1 --add sata --bootable on

# 仮想ハードディスクと仮想DVDドライブの割り当て
VBoxManage storageattach ${1} --storagectl ${1}sata1 --port 1 --type hdd --medium ~/VirtualBox\ VMs/${1}/${1}.vdi
VBoxManage storageattach ${1} --storagectl ${1}sata1 --port 2 --type dvddrive --medium ${4}

# 作成した仮想マシンの起動
VBoxManage startvm ${1}

exit 0



(2) パスの確認

echo $PATH



(3) 実行権限の付与

chmod +x vm-cli



(4) シェルスクリプトをパスの通った場所にコピー

sudo cp ~/vm-cli /usr/local/bin/



(5) シェルの再起動

exec $SHELL



2. では、以下のコマンドを使って、仮想マシンを作成します。なお、あらかじめ ArchLinux のイメージファイルは ダウンロードしておいて下さい。

vm-cli archlinux 1000 20000 ~/Downloads/archlinux-2013.05.01-dual.iso



ArchLinuxのインストール手順



1. 私は、MacBookAirのキーボードは、日本語配列を使用しています。よって、まずは、日本語キー配列を使用できるようにします。

loadkeys jp106




2. 次に、パーティションを作成します。ここでは、Newより2つの領域を作成し、それぞれ10GBくらいを目安に設定します。

cfdisk /dev/sda


sda1は、 bootを設定しておきましょう。




サイズを指定できたら、 Writeyesとし、 Quitで終了します。







3. 次に、作成した領域を所定のフォーマット形式でフォーマットします。

mkfs.ext4 /dev/sda1 && mkfs.ext4 /dev/sda2



4. そして、フォーマットした領域をマウントし、必要なフォルダを作成していきます。

mount /dev/sda1 /mnt && mkdir -p /mnt/home && mount /dev/sda2 /mnt/home



5. コマンドvi /etc/pacman.d/mirrorlistを実行します。


パッケージ管理のサーバーリストを編集し、日本のサーバーアドレスをリスト上位に持ってきます。

Server = http://ftp.jaist.ac.jp/pub/Linux/ArchLinux/$repo/os/$arch



参考 : pacman (日本語) - ArchWiki


6. 次に、必要になるであろうツールを一括インストールしていきます。必要ないと判断した場合は、 pacman -Rs <tool>としてアンインストールしてください。

# ベースシステムのインストール
pacstrap /mnt base base-devel

# ブートローダーのインストール
pacstrap /mnt grub-bios



7. /etc/fstabの生成を行います。

genfstab -p -U /mnt >> /mnt/etc/fstab



8. /mntをルートディレクトリとして作業します。

arch-chroot /mnt



以下、 arch-chrootでの作業になります。


# タイムゾーンの設定
ln -s /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime

# initial ramdisk
mkinitcpio -p linux

# ホストネームの設定(hogeには任意のネームを入れる)
echo hoge > /etc/hostname

# 日本語キー配列に対応
echo KEYMAP="jp106" > /etc/vconsole.conf

# 変なところを日本語にされても嬉しくないので
echo LANG=en_US.UTF-8 > /etc/locale.conf



vi /etc/locale.gen


以下の文字列を含む行をコメントアウトします。

en_US.UTF-8 UTF-8

ja_JP.UTF-8 UTF-8


# ロケールを生成
locale-gen

# ネットワーク簡単設定ツールのインストール
pacman -S ifplugd

# ブートローダーをブートセクタに書き込む。書き込み先は適時変更
grub-install --target=i386-pc --boot-directory=/boot --recheck --debug /dev/sda

# GRUB設定ファイルにOS起動設定を書き込む
grub-mkconfig -o /boot/grub/grub.cfg

# rootのパスワードを設定
passwd

# arch-chrootを抜ける
exit



9. 最後に、アンマウントとシャットダウンを行います。

# アンマウント
umount /mnt/home && umount /mnt

# シャットダウン、rebootでもよい(ただし、VirtualBoxの場合は、ISOをアンマウントしなければならないので、シャットダウンが望ましい)
poweroff



VirtualBoxを使用した場合は、以下のコマンドでISOファイルをアンマウントし、仮想マシンを起動します。

VBoxManage storageattach archlinux --storagectl archlinuxsata1 --port 2 --type dvddrive --medium emptydrive

VBoxManage startvm archlinux



ArchLinuxの初期設定



では、ArchLinuxの最低限の設定を行なっていきます。

1. まず、ネットに繋がらないのでは、話しにならないので、ネットに繋がるように設定します。ココら辺の設定は、マシンによっても環境によっても異なってくる部分ですので、適時読み替えて下さい。

ip link

systemctl start dhcpcd@enp0s3

systemctl enable dhcpcd@enp0s3

ping -c 3 google.com



2. 次に、 sudoの設定を行なっていきます。

pacman -S sudo

visudo



以下の文字列を含んだ行をコメントアウトします。

Defaults env_keep += "HOME"

$wheel ALL=(ALL) ALL


3. 次に、 VirtualBox専用の設定です。不要な設定は個別に取り除いて下さい。

pacman -S virtualbox-guest-utils

modprobe -a vboxguest vboxsf vboxvideo

echo -e 'vboxguest\nvboxsf\nvboxvideo\nvboxdrv\nvboxnetadp\nvboxnetflt' > /etc/modules-load.d/virtualbox.conf



4. 最後に、ユーザーを作成します。 hogeの部分は、ユーザーネームになります。

useradd -m -g users -G wheel,storage,power -s /bin/zsh hoge

passwd hoge



5. おまけとして、個人的によく使うツールもインストールしておきます。これらがないと、作業効率が格段に落ちてしまいます。

pacman -Syu vim zsh tmux bash-completion net-tools



SLiMとAwesomeのインストール



ここでは、出来る限り最低限の構成を解説していきます。ArchLinuxのGUI環境を便利にするためには、後で色々と追加していって下さい。


pacman -S xorg-server xorg-xinit



pacman -S slim arhlinux-themes-slim slim-themes


pacman -S awesome



cp /etc/skel/.xinitrc ~/

echo -e "VBoxClient-all &" >> ~/.xinitrc

echo "exec awesome" >> ~/.xinitrc



startx



Ctrl+ Alt+ F2でターミナルに戻ります。


vim /etc/slim.conf


特定の文字列を以下のようにコメントアウトまたは、変更します。

# zsh特有の設定
# https://wiki.archlinux.org/index.php/SLiM_(%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E)
login_cmd exec /bin/zsh -l ~/.xinitrc %session

# numlockxいらず
# http://pc-usr.seesaa.net/article/213154213.html
numlock on

# デフォルトユーザーを設定(hogeの部分にユーザーネームを入れます)
default_user hoge

# オートログイン
auto_login yes

# デーモンとして実行
daemon yes

# テーマの変更
# http://chaitealatte-lightice.blogspot.jp/2012/08/arch-linux_28.html
current_theme archlinux-simplyblack



systemctl enable slim.service

reboot



Ctrl+ Alt+ F2でターミナルに戻ります。








参考ページ



インストール系



memo: ArchLinux 2012.09.07 インストール
MacBook AirのVirtualBoxにArch Linux 2012.12.01をインストール - ぞひたすIT記
Arch Linuxインストールメモ (archlinux-2013.02.01) - 海馬のかわり
tkyon: NB100にArchLinux 2013.03.01 をインストール
Arch Linux をゼロからそこそこ使える程度に設定するまでの一部始終 - ヤルキデナイズドだった
arch linux をインストールした - はわわーっ



GUI系



Display Manager (日本語) - ArchWiki
SLiM (日本語) - ArchWiki
awesome (日本語) - ArchWiki
seijimomoto.blogspot.com: Arch LinuxにOpenboxをインストール
小人閑居して: Arch Linuxインストールバトル Mateを入れてMikutterを動かす
Linuxゲリラ戦記: Arch Linuxインストール記(GUI環境を整えよう編)



その他



VirtualBox (日本語) - ArchWiki
Arch Linux でサーバ構築 — kenkov.jp